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セミナーレポート

「初めてのSR訪問 5W1H」セミナーレポート Vol.1 ブラックロックのスチュワードシップ活動について

2021年2月19日に弊社主催でSR訪問で重要な5W1H ― Why(なぜ), What(何を), When(いつ), Who(誰と), How(どのように)について学べるセミナーを開催しました。

 

上場企業は、一般的なIR(Investores Relatios)活動である投資家面談以外に、株主に対し、株主総会の重要な議案、中長期的な経営方針、ESGの取り組みなどを説明するSR(Shareholders Relations)活動も行っています。しかし、なぜSRが必要なのか、どのタイミングで必要なのか、誰に会えばいいのかなどに疑問を抱いているIR・SR担当者の方も多いとの声を頂戴しました。

そこで今回は、ブラックロックジャパンでスチュワードシップ活動に従事している藤木彩氏と、元楽天IR部長で『楽天IR戦記』著者の市川祐子氏のお二人に、SR訪問時に必要な「5W1H」に基づきながら対談いただきました。IR・SR活動担当者の根本的な疑問の深堀り、機関投資家目線でのSR活動の在り方など幅広い対談内容となりました。本セミナー内容を4回にわたってお伝えしていきます。

第1回は、ブラックロックのコーポレートガバナンスの向上を目的とした機関投資家の行動規範、すなわちスチュワードシップについてご紹介します。藤木氏は、UBS証券でアナリスト業務に従事し、2017年からブラックロックに入社後スチュワードシップ活動に携わっています。IR担当者のSR訪問に少しでも役立てていただけるならとの思いから今回お話いただきました。

ブラックロックのスチュワードシップ活動で重視しているのは、長期投資家としての株主利益の最大化

最初にブラックロックのスチュワードシップ活動の概要についてお話します。ブラックロックでは世界8拠点において、各地域の専任担当者を配置し、スチュワードシップ活動の強化に努めています。ブラックロックのインベストメント・スチュワードシップチームは、グローバルで50名以上の専任の担当者により構成され、各国の法制度、商習慣、政策動向に則した議決権行使及びエンゲージメントを行っています。

議決権行使とエンゲージメントの一体的運用に特色

グローバル共通のエンゲージメント重点課題として、5つのトピック(ガバナンス・気候変動・経営戦略・長期目線を促す報酬制度・人的資本)に注力しています。重点課題は毎年見直しており、今年も3月に改訂予定です。重点的に取り組むESG課題を設定し共有、そのうえで各国の市場環境や投資先企業の事業環境・個別事情を十分考慮したうえで、個別のエンゲージメントを実施しています。

弊社のスチュワードシップ活動の特色として、「議決権行使」と「エンゲージメント(対話)」の一体的運用が挙げられます。エンゲージメントにおいて投資先企業の事業や経営戦略、あるいはESG課題への対応状況などを議論しながら、投資先への理解を深めます。こうして得た情報をもとに株主総会において、企業の実態に基づき長期的な価値創造の観点から議決権行使を行います。株主総会後には必要に応じ、エンゲージメントにおいて議決権行使結果に関するフィードバックを行い、次年度以降へと活動をつなげていきます。

グローバルで環境・社会課題への対話を強化

次に対話内容についてですが、グローバル全体でも環境・社会課題についての対話をかなり増やしています。気候変動に関する対話を強化していることに加え、コロナ禍で人々が働き方の見直しを否応なく求められる中、人的資本の重要性が増している影響もあります。

最後に対話先ですが、継続的な取り組みとして社外役員とのエンゲージメントも積極的に行い、昨年度から2.5倍となりました。株主提案や不祥事が発生した場合、あるいは取締役会の実効性を客観的な視点から確認する必要があると当社が考えた場合には、特に社外役員とのエンゲージメントを積極的に実施するようにしています。

日本における年間の対話件数は、コロナ禍にもかかわらず増加傾向にありますが、2020年2月以降はWeb会議システムを積極的に利用してます。時期としては、通常2月から4月ぐらいに、議決権行使に関わる対話を行うことが多いです。

スチュワードシップ活動の透明性を追求するために、情報開示を積極的に実施しています。ブラックロック・インベストメント・スチュワードシップのグローバルサイト:英語版(https://www.blackrock.com/corporate/about-us/investment-stewardship#our-responsibility)には様々な議決権行使のガイドラインに加えて、エンゲージメントの重点課題についての考え方などを記載しています。日本語版(https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/about-us/stewardship)での情報開示も行っており、議決権行使に関するガイドライン、スチュワードシップレポートなどを是非参考にしていただければと思います。

 

SR訪問でも関わりの深いスチュワードシップ活動についてご説明いただきました。議決権行使を行うためには、投資先企業の経営戦略や事業環境などを事前に理解しておくことが重要であり、そのためにSR訪問での対話が参考になるとお話しいただきました。相互理解を醸成する対話に必要なSR訪問の5W1Hを次回からお届けします。

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