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セミナーレポート

「IR面談 5W1H」セミナーレポート Vol.3 IR訪問に必要な5W1H / Who.What編

2021年6月4日に、「IR面談の5W1H」としてIR担当者向けの学べるセミナーを開催しました。

第3回では、誰と会いたいか「Who」と、投資家は何を知りたいのか「What」についてお送りします。

Who: 事業に近い存在に背景を理解しているか確認したい

菅原氏
それでは「Who」についてまず2つお伺いします。
IRチーム、CFO、CEO等様々なポジションの方とお会い機会があると思うのですが、特にこのポジションの人に会いたいという希望はありますか。また、対応する各役職に合わせて、その時に質問する内容を変えていますか。

岩谷氏
私は、基本的にその企業についてほとんど分かっていないという理解でいます。例えば菅原さんとは長い付き合いではありますが、何も知りませんという前提で応対します。600、700という会社を対応していると、把握しきれないのが事実です。1時間程度、会議室でお話して何か分かるとは思ってないです。ですので、誰と会うかで言うと、なるべく事業に近い人に会いたいです。会う人によって、自分がその会社で働いていたらどうだろう、この人と一緒に働くのはどうだろうと、イメージできるような質問をするように心がけています。
それに反対するようなIRは苦手ですね。戦略的に美しい説明資料もそうですが、リアリティーから遠ざかるような会話は、さっきの理解ギャップが埋まっていかないので、私はあまり好まないです。

菅原氏
Xさんはいかがでしょうか。

X氏
中長期的な話を聞きたい時にはマネジメントの方とお会いしますし、直近の数字のチェックであればIR担当者に「今日は数字のチェックを細かくさせてください」とお願いします。聞きたい内容が異なるからというのはありますね。
どんな方が好きかとなると、やはりマネジメントに近い方です。IR担当者もマネジメント層の考えの背景をよく知っていますよね。ですので、綺麗な説明資料に色々と記載されているけど、その背景をしっかり説明できる方がいいですね。

菅原氏
お2人から綺麗な説明資料(パワーポイント)と出ましたが、説明資料からこの企業のCFO、またはIRチームは会社の事業や戦略概要は環境分析も含めて、理解「している」、「していない」というのが透けて見えるものなんですか。

X氏
私は1回話さないとわからないと思います。ですので、あえて何もディスクローズしない会社もありますし、ディスクローズし過ぎてちょっとお腹いっぱいだなと思う会社もあります。
アイスタイルの説明資料は、私はとても読みやすいです。内容は客観的に見て他の会社より多いと思いますが、これは投資家によって好みは分かれると思いますので、一概に言えないですが。

岩谷氏
私はやはり、エグイときの資料が好きですね。「コロナの業績の1年前はどうなってて、それをどうしたんだ」とか、「メーカーや中小企業は事業をストップする時にどういう手を取ったんだ」、というような話は好きですね、危機的状況は、10年に1回ぐらいしか出現しませんが、そのような状況の時こそ会社のスタンスがよくわかります。

菅原氏
厳しい時期という事ですね。

岩谷氏
そうですね。非常に調子がいい時、または極端な時に1枚差し込まれているスライドで把握できるので、そういうのは好きです。
普段のルーティンで開示している内容は、あまり頭に入っていなかったりします。話ながら悩んでいるポイントを次回改善してきたり、そのスライドが消去されていたりとか、その変化分というのはとてもいいですね。「あのスライド消えましたね」とか会話するのが好きです。

WHAT: 何を説明したくないか、マーケットは何を知らないのか

菅原氏
最後になりますが、「面談時に、投資家は何を知りたいのか」についてお伺いします。
ご自身の投資家としての立ち位置でプリンシパルとして、この内容は聞くことを大事にしてるというものがあればそれぞれを教えていただきたいです。

岩谷氏
何を説明したくないかという部分は知りたいです。

菅原氏
普段、和やかに対応しているミーティングの中で、私からそれを察しようと探りが常に入っているわけですね。

岩谷氏
そうです。できれば言いたくないこと、ハイライトしたくないことを推測しながら対話をしています。できているわけじゃないけれどそういうのが好きですね。

菅原氏
企業側は逆に突っ込まれたくないですね。「その件は話せない。」と言われたら岩谷さんは困ってしまいますよね。

岩谷氏
そこがポイントなんだなという事が理解できるので、中身までわからなくても私は良いです。そこが急所なんだなというのが知りたいです。

菅原氏
岩谷さんとその話は多いですね。弊社の課題の話とかですね。
Xさんは、これだけはいつも大事にしている確認ポイントはありますか。

X氏
企業によって違うと思うんですが、投資判断が最後のフェーズだという時は、「マーケットが何を知らないか」ですね。ロジックはみんな演繹的に話すと、「ファクトABCであるとDですね」というように、簡単に聞こえるんですけど、色々なことが見えてくると、「実はDじゃなくてEじゃないか」とか、そういうのを知りたいです。インサイダーとかではなくて、マーケットがなにを勘違いしているかとか。

菅原氏
これもまたギャップですよね。

X氏
そうですね。基本的には、皆さんが普通に話してる表層的なことで、すでにプライスインされていると考えています。IR面談で、「この人はこう言いました」、というのは他の投資家にも話すので、おそらく他の投資家がぼけっとしていない限りはプライスインされますし。表層的じゃない、もっと詳細で深い内容を聞いて、自分なりに自分の考え方がここでマーケットと違うという部分を見つけたいなと思います。
例えば、いつも投資している企業だったら「短期的に次のクォーターどう見ていますか」とか、「今どういう印象を感じていますか」みたいな話になりますよね。

菅原氏
おっしゃられていることはイメージがつきます。
自分も説明している中で、「情報を出す・出さない」ではなくて、「この説明をどう理解いただけているのか」が、気になりながら話をしています。どうやってもこのストーリーを正しく理解してもらえないけど、一部の投資家には理解してもらえるポイントがあるので、そういうポイントの事なのかな?と感じています。

岩谷氏
アドバイスをすると、このような濃い議論をした後に、その投資家が買ったのか・売ったのかを後で確認すると良いですね。

菅原氏
その場合ですが、タイムラグがありますよね。

岩谷氏
そうですね。3カ月後、6カ月後に会った時に、「あの議論は良かった」と話しながら、「その後あなたはどうしたんですか?」という議論をかぶせると、IR担当者としての価値が上がると思います。

菅原氏
次のミーティングの時に、一部振り返りに時間を使うという事ですね。

中安
そのような質問に投資家の皆さんは答えていただけるのですか?

岩谷氏
今ここでした議論のポイントも含め、開示ルールの範囲内で、答えられる事はあると思います。

中安
会社として絶対に話してはいけない、という事もないのですか?

岩谷氏
会社にもよると思いますが、あると思います。

菅原氏
Xさんの所属するファームでも一緒ですか。

X氏
私たちはほとんど「言わない」、というか言えないですね。ただし、信頼関係を築けた部分は伝えます。菅原さんにお伝えしているように。
日本のIRの方々はすごく丁寧ですよね。応えようとする姿勢は伝わりますが、もう少し積極的に投資家に質問してもいいと思います。「競合をどう思いますか」などは、海外の人達、中国や韓国の企業は普通に質問してきます。
開放的な雰囲気になので、そこから議論が深まることもありますし、「私がこう思う」と回答すると、「そこはちょっと違います」みたいに会話が展開されるので楽しいです。

菅原氏
楽しいですし、勉強になりますね。
弊社の場合ですが、ZOZOさんがZOZOコスメを始めたので、ZOZOコスメのことを聞かれるんですけど、「逆にどう思いますか?」と質問すると、私が知らない切り口を持っているので、戦略へのフィードバックとして参考になります。

X氏
同業の人や企業はマーケット自体に対してどのくらい理解してるかが分かりますし、その質問をすることによって会社のためになりますよね。ですので、そこは積極的に質問しても良いと思います。

 

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